桶狭間までの信長の歴史を書くにあたって

各年の出来事

『信長公記』の存在によって、上洛を果たしてからの信長の歴史に関しては、多くの研究がありますが、上洛までの若き信長が何をしていたかに関しては、なかなか研究が進んでいないようです。

いわゆる史料が多くないことによって、当時の尾張とその周辺の国々の研究があまり進んでいなかったことが、その原因でしょう。それでも最近はかなり研究が進んで、これまで知られていた様々な出来事が実はどういうことであったのか、それによってどのような状況が展開したのか、など、少しずつ分かってきました。

信長自身に関する文書は多くないため、若い頃の信長が何をしていたかは、あまり良くわかりませんが、こうした周辺の事情がわかってきたことから、信長の行動を推察することはかなりできるようになってきたのではないか、と考えています。

確かな証拠を元に正しい歴史を知りたいのはやまやまですが、それがない以上、様々な状況証拠から信長の行動がどういう状況の中で、どういう意味があってのものであったかということを推し量っていくしかありません。

特に、信長が家督を継いだとされる1550年ごろから1560年の桶狭間の戦いまでの10年ほどは、『信長公記』で出来事はある程度分かっているものの、それがどういう状況によって起きたのか、信長が何をしたのかはよくわからないままでした。そこをわかるようにしたい、というのがこのブログのテーマとなります。

私は2022年末に『若き信長の知られざる半生』という本を上梓しましたが、その内容は紙媒体ではどうにも広く伝わらないということを痛感しています。そこで、この本で書いた内容を紹介しつつ、紙幅の面で書ききれなかったことを追加し、さらにアップデイトした内容をこのブログで書いていこうと思っています。そんな話にお付き合いいただければ幸いです。

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