ひとまず見ておくべきリニューアルした「安土城考古博物館」に行ってきました

ツアーのご報告

昨日(2025年4月16日)、信長の安土城の裾野にある安土城考古博物館へ行ってきました。3月18日にリニューアルオープンしております。4月26日からは特別展「安土城・2025ー信長の夢のあとー」が開催されるので、その混雑を避けるべく行ってきたのですが、なるほど今はその混雑時のリハーサルオープンという感じかな、スタッフの皆さんはやたら愛想よく、客はほとんどいませんでしたが、まさにリハーサル的にいろいろご案内いただきました。

先回行ったのは2017年に、高木久史氏の「信長以前の織田一族」というセミナーを聞きに行った時。当時の展示などにもうほとんど記憶がないのですが、信長の長槍が普通の槍と比較して展示してあったように思います(今はない)。今回のリニューアルは第1展示場の方で、180度スクリーンに安土城のあれこれが映し出されるというのが目玉。15分ほどのドラマ仕立てで宣教師ヴァリニャーノが安土城を訪れるというショートストーリーでした。客は私と家人の二人だけで、浮遊感のある映像を堪能しました。

内容は見てのお楽しみということで書きませんが、ちょっと2点気になったことが。一つは「信長が天皇中心の世の中にしようとしていた」という話。大手道など行幸のための作りというのはわかりますが、果たしてそういう天下構想があったのかに関しては疑問に思いました。もう一点は信長が「自分は美濃から来た」というくだり。確かに岐阜城にはいましたが、信長は尾張人と自覚していたのではないかと考える私としては「ちょっとなあ」と思わざるを得ない。しかし愛知県は「わが信長」をもっと宣伝しないと(苦笑)。

安土城は50年ほど前に内藤昌氏の作った復元図がありましたが、昨今は三浦正幸氏の復元図もあるようで、どうもその移行期なのかなという印象でした。千田嘉博氏の「懸造りのバルコニー」という話は出てきませんね。まあ、このあたりはあまり詳しくないので、言及するのを控えますが、映像の監修は三浦正幸氏でした。

第1展示室の他の展示は立体地形図にスライドが上映されるものが2つと壁面展示、発掘物、文書など。面白かったのは第2展示室の方で、朝倉氏の『築城記』という史料から復元された城(の門のあたり)の原寸模型。この史料の存在を知らなかったのですが、これがあれば中世の城をある程度復元できるのでは。山城のある山間部の地域おこしに使えそうな気がします。

1時間ほどの滞在後、2017年には無料だった安土城跡も今は有料なので登ることをせず(苦笑)、観音寺城へ向かいましたが、もたもたしているうちに駐車場閉門時間を迎えたため、本丸跡まで行けないままタイムアウト。それでも佐佐氏城址跡の碑までは行けたので、石垣や巨大な石のある山の形状はよくわかりました。本丸はまた今度のお楽しみということにします。

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