2019年1月19日

3日間ボランティアでPRに励んだ岐阜城盛上げ隊の明智光秀様
終わってしまったイベントの紹介をするのはあまり意味がないのですが、今回ご紹介するイベントは今年も行われる予定ですので、ここでぜひご紹介しておきたいと思います。それは「お城EXPO2018」というもの。先月12月22日から三日間、横浜みなとみらいにあるパシフィコ横浜というイベント会場で行われました。

パシフィコ横浜の会議センターという建物の一階から五階までを使って行われたこのイベントは、主催者によれば『一大ブームになりつつある「城めぐり、城郭めぐり」。お城EXPOは、お城にまつわる貴重な展示やスペシャリストによる講演会など、お城の知識を深めていただけるプログラムが盛りだくさんの城ファン必見のお城イベント』ということになっています。
つまり城や戦国時代のイロイロをまとめて一大イベントにしてしまえ、というもので、城のジオラマやパネル展示、古文書や発掘出土品の展示、漫画「センゴク」の原画展、武将隊のパフォーマンス、様々なワークショップや講演、小中学生の自由研究コンテスト、そして城観光案内や城グッズ物販と、このあたりがお好きな人にはたまらないイベントです。3日間の入場者数は2万人を超えたとのこと。関東でのイベントですから、中部圏から見に行かれた方は少ないと思いますが、中部圏からは「出展」で参加した人が実はずいぶん多かったのです。

というのも、このイベントには城めぐり観光情報ゾーンというほぼワンフロアを占めるエリアがあり、そこには全国各地の自治体や観光協会がPRブースを出展し、地元の歴史観光をアピールしたのでした。中部圏では今年11月に全国山城サミット2019が開催される岐阜県可児市が講談社のセンゴクと共同ブースを出し、関連する東美濃の山城推進部会も出展。そして岐阜城など信長公居城連絡協議会、名古屋城、三英傑ゆかりの城として犬山、岡崎、小牧山、勝幡、長篠の各城、関ケ原古戦場、郡上八幡城、今年6月に行われる全国城下町シンポジウム豊橋大会実行委員会、三重県津市観光協会、三重県玉城町、国宝彦根城など、中部圏の城関係者のほとんどがこのイベントに集まっていたと言ってもいいほど。

配布された割り箸は大人気であっという間になくなりました
他にも九州から東北青森まで全国各地の城や観光協会、旅行会社などが、著名な戦国の城が少ない関東圏の人達に強力にプロモーションを展開していました。中部、北陸、関西にたくさんの城や古戦場があって、中部圏にいるとすぐに出かけることができますが、人口の多い関東圏の城好きの人たちが出かけるには、まだまだ様々な情報が足りていないのが現状です。ということで、岐阜城盛上げ隊のおもてなし武将の皆さんなどは、3日間、完全ボランティアで参加して岐阜城PR活動に精を出していました。少しカンパでもあると彼らも報われると思うのですが、そのあたり、なんとかならないものでしょうか。

このイベントは著名な歴史家の小和田哲男先生が理事長を務める公益財団法人日本城郭協会や、株式会社ムラヤマ、城びと(株式会社東北新社)、会場のパシフィコ横浜が組織する「お城EXPO実行委員会」が主催しています。象徴的な中心が小和田先生ということもあって、講演会も著名な先生方が勢揃い。初日は春風亭昇太氏や東大の金子拓先生による信長関連の講演が三本、翌日は千田嘉博先生や中井均先生、そして岐阜市の内堀信雄氏などによる安土や大阪関連の講演が三本、三日目は関東のお話二本と三浦正幸先生の名古屋城のお話が一本。また他にもセミナーが毎日5本以上あって、そちらではクリス・グレン氏や小牧市の小野友記子氏、設楽原資料館の湯浅大司氏など中部圏の皆さんも講師として活躍していました。



ということで、中部圏の城関係の皆さんによる関東攻め、首都圏攻略とも言うべきお城EXPO2018でしたが、人口4000万人を超える首都圏に住んでいるお城好きにはずいぶん響いたイベントになったようです。出展した皆さんからは良かったという声が続出。しかし、人口1000万人を超える中部圏、2000万人を超える関西圏のPRももっとしてもらいたいところ。というか、こんな面白いイベントなら、中部圏でも開催してもらいたいものと強く思いました。モーターショーは東京、名古屋、大阪…と全国で順に開催されますが、お城のショーもそうなるといいのに、と思わずにはいられませんでした。

一宮市の鵜飼くんの研究発表も展示されていました


名古屋城も天守木造復元をPR
実はこのイベント、無料ではなく入場料が一日1,800円、講演も一本1,000円が必要となります。そんな有料イベントでも2万人が入場し、若い入場者がかなり多いと見受けました。また主催の日本城郭協会が選定した日本100名城、続日本100名城をめぐるスタンプラリーも好評と聞きました。選定された岐阜の苗木城や岩村城は山の木を少し切って、石垣を見せるように努力してもいます。お城ブームは確実に来ていますね。これに乗って私が提唱している「若き信長の軌跡をめぐる」もさらに人が増えるといいのですが。スタンプラリーでも企画してみましょうか。