桶狭間の戦いに近江六角氏の援軍が来た「かも」と先日の『英雄たちの選択』でまたやってましたが、村井祐樹著『六角定頼』2019を読んで当時の状況を確認してみました。
この頃六角氏当主の六角承禎は嫡男と揉めており、「美濃から亡命してきた土岐頼芸を抱えつつ越前朝倉・尾張織田と結び、美濃斎藤・北近江浅井そして三好氏と対峙している」ということのよう。
信長が駿河今川に負けるとパワーバランスが崩れるので、援軍を送ってもおかしくはない。でももし今川が勝って尾張に進出してきても、斎藤が苦しくなるので、どちらが勝ってもそう問題はない。兵を出して信長方であることを鮮明にするのは、今川が勝った場合によろしくないので、傍観してればいいのでは、と私的には思いました。
村井氏はあとがきで、江戸時代の偽書『江源武鑑』にある桶狭間の戦いに援軍を出した話は、不自然に信長と結びつけた逸話で、一顧だにする価値はない。あえて言おう、カスである、と厳しく指摘しています。まあそういうことだろうな、と。

