第21回 信長が飛び込んだ蛇池は、名古屋市西区比良に今でもちゃんとあります

中日Web「尾張時代の信長をめぐる」過去記事 

2013年4月10日

さて今回は信長が泳いだことのある小さな池をご紹介しましょう。先回ご紹介した稲生の戦いが終わった頃のことと思われますが、比良城(佐々成政)の南にあった池に、恐ろしい大蛇が出るという噂が立ちました。

大蛇に出会った村人によれば、太さは一抱えもあり、鹿のような面構えで赤い舌を出し、目は星のごとく輝いたとのこと。この噂を知った信長は村人を召し寄せて話を聞き、自分が退治してくれるとばかり行動に出ます。信長は本当に好奇心旺盛で、なんでも自分でやりたい人です。

そこで1月下旬、現在もある西区の比良や大野木、北区の味鋺といった地区の村人をかりだし、池の水を汲み出させました。しかし7分目ほどからなかなか水が減らないため、業を煮やして大蛇を探すため、信長自ら脇差を口に咥えて池に飛び込んだのです。

しかし大蛇はみつかりません。泳ぎのうまい家来にさらに探させましたが結局見つからないので清須へ引き上げました。これが蛇がえとよばれる出来事で、あまが池というこの池は蛇池(じゃいけ)とよばれるようになりました。

この池が名古屋市西区比良1丁目291、庄内川の北側に現在もあるのです。信長が泳いだ池が今もまだあるのですよ。ぜひ一度見に行ってください。名古屋駅から市バスも出ています。

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